合格を目標にしていても合格はできない

みなさんこんにちは。受検生となって、約三か月が経ちましたね。
そして、いよいよ夏休みです。夏が受検を決めると言っても過言ではありませんから、今日は勉強に対するモチベーションの話をしようと思います。

みなさんの勉強のモチベーション、すなわち原動力は何でしょうか。
もちろん個人個人、様々なモチベーションを持って日々勉強に励んでくれていることと思います。
しかし、おそらく、その一人一人のモチベーションの中に「合格したいから」という要素が含まれているのではと思います。
もちろん、受検するからには第一志望の高校に入学したいですよね。
ですが、私は、この「合格したいから」というモチベーションは二つの意味で危険だと考えています。

「合格したい」の危険性

私のような考え方をする人はそんなにたくさんはいないでしょうから「合格したい」というモチベーションが危険だというのはあまり聞きなれないかもしれません。

まず、具体的にどう危険なのか、というと、

  • 「合格したい」が夢のまま終わる危険
  • 合格後のビジョンが建てられない危険

です。

「合格が夢のままになる」はなぜか

まず、ひとつ目について考えます。
人間は何事においても、まず「Aがしたい」と思い、その目標Aの達成のためにどのような課題を解決すべきか考え、その課題を解決すべく行動に出ます。
この課題をBとします。必ずしも課題が全て解決されていなければ目標Aが達成できない、というわけではありませんが、逆に課題Bが解決されていれば、目標Aが達成される可能性が極めて高いことを意味します。

具体的に考えてみましょう。もし「A=合格」ならば、思いつく課題は数多くありますが、そのうちの1つとして、英単語を100個覚える、とか、数学の問題を解く、などが挙げられます。
Bに取り組んでいる間は目標達成に必要な行動をとっているはずですから、当然Aまでの距離は短くなっていくはずです。ところが、不思議なことに、Bに取り組んでいるうちに、最初は思いも寄らなかった課題Cに出くわすのです。
そして次は課題Dに…つまり、最初の「目標Aを達成するためには課題Bに取り組めばよい」というビジョンが「目標Aを達成するためには課題B、課題C…に取り組めばよい」というビジョンになってしまい、どんどん課題だけが増える、という結末を迎えてしまいます。
そして、受検までに与えられた時間は有限ですから、受検当日までに、すべての課題を解決できず、目標達成、つまり合格している自分をイメージできず、自信のなさと、解決できなかった課題、だけが残ることとなってしまいます。

もちろん、課題を解決し続けてきたことに変わりはありませんから、課題が残っていようと、自信が無かろうと合格できる可能性はあります。
たとえ同じ学力を持っていたとしても、自信無く試験を受けるのと、やれることは全てやってきた、と自信に満ちて試験を受けるのとでは、後者の方が良い結果が期待できるのは明らかですから、自信無きまま受検するのはやはり危険なのです。
つまり、合格すること自体を目標とすることに、良い結果は期待できないのです。

合格「後」のことまで考えて志望校を決めていますか

仮に君が「合格したい」の一心で受検し、合格できたとしましょう。
では、合格通知を聞いた後君は何をしますか。このとき、ただ「合格したい」というモチベーションで全てを賄ってきた人は、何もできなくなります。
極端に言うと、今迄勉強してきたのは合格のためだけであったのですから、今後勉強する意味を見いだせず、勉強する気が起きなくなってしまうことにつながるのです。
これでは、せっかく第一志望に入学したのにその価値を何も自分に還元できないことになってしまいます(私は、如何なる進学校でも学業成績が足りずに退学する学生が一定数いるのはこのためだと考えています)。

「正しい」勉強のモチベーションとは

ここまで読んできた君は「合格したい」という思考がどうやら正しくない、ということを理解してくれたことと思います。
では、どのようなモチベーションを抱くのが「正しい」のでしょうか。

私が提案するのは、「その学校でしかできないことをしたい」というモチベーションです。

もちろんこれは一例ですから、このようなモチベーションを持てと言うつもりはありません。
例えば、第一志望校がサッカーの強豪校で、目標が「僕は○○高校でサッカーがしたい」であれば、合格することは、その目標達成のための課題の一つとなり、合格することが、自然と「解決すべき、解決できる」ものだと考えられるようになるのです。

そう、モチベーションというのは目先のことに対する自分の行動における意識を変えるためにあるのです。
受検は好きではありませんよね、でも、なぜ受検をしようと思うのか、考えてみてください。
その答えが、あなたのモチベーションです。それが、自分を「受検したい」と思わせるようなものであればあるほど、合格後のビジョンが明確であればあるほど、あなたは勉強せねばと思える、従って合格への距離が縮まるはずです。皆さんがそうあれることを祈っております。

リングアカデミー講師 高橋健